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活動期の治療(寛解導入療法)

監修 : 防衛医科大学校 内科学講座 神経・抗加齢血管内科 准教授 海田 賢一 先生

医師の説明

活動期とは、その名のとおり活発に炎症が起こっている時期です。

この時期には、炎症を沈静化し、症状が落ち着ついた状態(寛解)に導くための治療(寛解導入療法)を行います。

寛解導入療法には、①免疫グロブリンの注射薬を使う方法(免疫グロブリン療法)、②ステロイドの主に飲み薬を使う方法(副腎皮質ステロイド療法)、③血液中に含まれる炎症の原因となる物質を取り除く方法(血漿浄化療法)という3つの方法があります。

それぞれに特徴がありますので、患者さんに合った方法を選びます。

また、症状が重いときや急激に悪化したときには、大量のステロイドを3~5日間連続して点滴静注するステロイドパルス療法が行われることもあります。

①免疫グロブリン療法

点滴している様子

グロブリンは血液中に含まれる蛋白質の一種であり、そのなかでも体内に侵入した細菌やウイルスなどの異物を認識して排除する「抗体」として働く一群のグロブリンを免疫グロブリンと呼びます。

免疫グロブリン療法は、ヒトの血液から免疫グロブリンを分離・精製して作った血液製剤を注射する治療法であり、生まれつき免疫グロブリンが作られない先天性疾患や、抗生物質が効かない重い感染症の治療に用いられてきました。

免疫グロブリン製剤には、静脈注射剤(IVIg)と皮下注射剤(SCIg)、筋肉注射剤がありますが、CIDPの寛解導入療法ではIVIgが用いられます。

免疫グロブリン療法の主な副作用は、頭痛、発熱、皮疹、注射部位の痛み、注射直後~初期のアレルギー反応などがあります。

②副腎皮質ステロイド療法

薬を飲む様子

ステロイドとは、副腎皮質で作られるホルモン(副腎皮質ホルモン)の総称です。

ステロイドは体のなかで起こるさまざまな出来事を調節している重要なホルモンであり、炎症以外にもさまざまな病気の治療に用いられます。

一般的に使用されているステロイドは人工的に合成した合成ステロイドです。

経口薬(飲み薬)ですので毎日通院する必要はありません。ただし、他の2つの治療法に比べて効き目が出るのが遅くなります。

ステロイドの主な副作用は、比較的短期間の投与でも起こりうるものとして、糖尿病、精神疾患(うつ、不眠など)、高血圧、消化性潰瘍などがあります。

また、長期投与時に注意すべき重要な副作用として、感染しやすくなる、骨粗鬆症、白内障、脂肪肝、動脈硬化などがあります。

③血漿浄化療法

血漿浄化治療の様子

血漿浄化療法とは、血液をいったん体外に取り出し、機械を使って病気の原因となる物質を取り除く治療法であり、腎臓病の治療で行われる人工透析も血漿浄化療法の一種です。

病原物質を直接取り除くので、すみやかな効果発現が期待できますが、このような機械のある施設に入院して治療を受ける必要があります。

血漿浄化療法の主な副作用には、血液を体外に取り出すことや機械の使用に伴う副作用として、感染、出血、血栓、接続部分の外れ、血圧低下、低体温などがあります。

また、交換する血漿液・補充液に含まれる成分による副作用として、クエン酸中毒、アレルギー反応、高血圧・低血圧などがあります。

寛解期の治療(維持療法)

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